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こんにちは。
11月に入り、冬の気配がすぐそこに感じられる季節ですね。
寒い季節には、あたたかい住まいの大切さが身にしみます。
さて、「パッシブデザイン」という言葉を、聞いたことはありますか?
太陽や風など自然のエネルギーを取り入れ、快適な室内環境を生み出す考え方です。パッシブデザインで設計された住まいは、エアコンや暖房器具をあまり使わなくても快適というメリットがあります。
そんな魅力的な「パッシブデザイン」とは何か、どんな設計ができるのか、ということについてお伝えします。
▼目次
パッシブデザインとは
パッシブデザインとは、太陽や風などの自然エネルギーを生かして快適な室内環境をつくる設計手法です。
画像引用:環境共生住宅推進協議会HP
パッシブデザインで大切になるのは、「太陽の光」と「風」です。
例えば、夏の工夫を描いたこちらの図。
夏の太陽は、高いところからギラギラと照らしてきます。そこで、暑さを和らげるために、ひさしや軒を長くします。
そして、風が自然に流れるように窓の位置を工夫します。庭に緑があると、少し風の温度が下がるので最高ですね。
屋根や外壁は、暑い外気の影響を受けないような断熱性能の高いものでつくります。
このような工夫を取り入れると、夏でもクーラーを使うのは昼間の暑い時間帯だけという暮らしが実現します。クーラーが切れるたびに目が覚める、寝苦しい夜も解消です。
画像引用:環境共生住宅推進協議会HP
また、寒い冬はできるだけ太陽の光を家の中に取り込めるよう、南側の窓を大きくします。断熱性の高い住宅なら、昼間のエアコンや暖房は最小限で十分。夜になっても、その熱を逃しません。
設備機器に頼らないということは、電気代も安く済みますよね。省エネルギーでランニングコストのかかりにくい暮らしが叶うというわけです。
パッシブデザイン、5つの手法
パッシブデザインで使われる、代表的な設計手法は次の5つです。
1. 日射遮蔽(夏のパッシブデザイン)
施工事例:家事ラクなまとまりのある家
夏の太陽の光は、まぶしく暑いので、できるだけ室内に取り込まない工夫が必要です。
例えば、軒やひさしを長く出して太陽光を遮る、太陽光が当たってしまうガラス窓は日射遮蔽型のLow-eガラスにするなどの工夫をします。
軒を出せない場合は、可動テントや、昔ながらのすだれを使うのも有効です。
2. 太陽熱利用(冬のパッシブデザイン)
施工事例:家族の気配を感じる家
冬は、できるだけ太陽の光を取り込み、ぽかぽかとあたたかい室内環境を作ります。
冬の太陽は低い位置から照らすので、部屋の奥まで光を導けるような建物の配置にし、南側の窓からたっぷりと光を取り入れます。
断熱性能の高い住まいなら、昼間にあたたまった空気の熱で、夜になっても暖房効果を保つことができます。
3.昼光利用
施工事例:幸せソウゾウする家
太陽の「明るさ」も、大切な自然エネルギーです。
南側はもちろん、北側でも適切に窓を配置すると、安定した光を取り込めます。昼間は電気をつけなくても明るく過ごせますね。
また、奥の部屋や廊下には、窓がなくても光が届くよう、壁を反射させるなどの工夫で光を導く設計をすることもあります。
4.自然風の利用
風がうまく家の中を通り抜ければ、涼しさを感じますし、室内の暑い空気を外に逃してくれる効果も期待できます。
敷地ごとに違う風の流れを読み取り、適切に窓を配置します。
また、暑い熱は上へ上へと移動するので、1階から入った風が、吹き抜けや階段室を通って自然と抜けていくような「立体通風」を意識して設計することもあります。
5.高断熱・高気密化
冬は、太陽で温められた室内の空気を外に逃がさない。夏は、暑い外気の影響を受けないようにする。そのために大切なのは、建物の「断熱性」「気密性」です。
建物をしっかり包み込んで内外の温度差をなくし、すき間を減らして温度を逃さない設計ですね。
室内温度をできるだけ一定に保つことができるので、どの部屋も涼しく温かいまま快適に過ごせます。
パッシブデザインの注意点
パッシブデザインをうまく取り入れるには、気をつけておきたいこともあります。
敷地選びが重要
パッシブデザインをうまく取り入れるには、「敷地の自然環境」がとても大切です。
太陽の光を十分取り込めるか、風が抜けるのか、隣の家との間隔や、周囲の山の高さなども見極めて検討したいですね。
パッシブデザインを理解した設計者と家づくりを
パッシブデザインの住まいは、設計者なら誰でもできるというわけではありません。
適切に取り入れた設計をするには、知識と経験が必要です。
そのため、パッシブデザインを理解して、実績もある設計者を探しましょう。施工実績を見せてもらったり、設計者の考えを聞いたりすると、判断しやすくなりますよ。
まとめ:自然エネルギーを活用して、快適な室内環境を
パッシブデザイン、と横文字で聞くと「なんだろう?」と思ってしまいますが、太陽や風を上手に取り込んで、快適に暮らすための設計手法とわかれば、とても共感していただけると思います。
使い勝手やデザインも大切ですが、長く気持ちよく住まうには、知っておきたい考え方ですね!